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[C317]

やはりこれは取り上げたか
流石だな
  • 2007-12-23 13:09
  • 名無しぃ(*゚ー゚)
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[C318]

十オナさんGJ!

これは知りませんでした。この時間、思いっきり寝てましたから。

それにしても、ドクオの狂いっぷりや前作の視点変更が凄いですな。
  • 2007-12-23 15:15
  • スカ信
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[C320]

丁度、朝に発見したときにログ確保してたんですね。
ただのセンチメンタリズムで終わらないところが素敵。
ブーンはどうなったのだろう……と考えると背筋が寒くなる。
  • 2007-12-24 05:35
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('A`)ドクオが帰郷するようです

 
【紹介】-----

 ドクオの『帰郷』。
 それはノスタルジックなものではなく、もっと歪で、もっと偏った思いから来る『帰郷』。

 どこに真実があり、物語はどこに帰結するのか。
 それとも、これは壮大な物語の序章なのか。

 スカトロの作者が送る、不思議に不気味なショートショート。


※この一篇は、『( ^ω^)ブーンが帰郷するようです』という作品の続編にあたります。
 http://booooonovel.web.fc2.com/9/kikyo.html (リンク先: Boon Novelさん)


 作者: ID:nMCi3TeY0  スレ: http://afox.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1198273606/l50

 


 
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 06:46:46.58 ID:nMCi3TeY0
 1

久しぶりの帰郷は、大して感慨深いものではなかった。

豊かな自然は姿を消し、砂利道は整備され、
田園地帯の広がっていた場所には高層ビルが聳えてはいたが、
何の感情も沸かないのは、三十年が経ったからだろうか。

('A`)「二十年って、意外と長いんだな」

ドクオの呟きは、雑踏の音に紛れ、余韻を残さなかった。


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 06:47:26.05 ID:nMCi3TeY0
 2

家を出てから唯一、連絡を取っていた妹は、先月に結婚して近場に越してきた。

再会したのは偶然だった。
暇つぶしに駅ビルの本屋で立ち読みをしている時に、声をかけられたのだった。

(*゚ー゚)「いつ出てきたの?」

('A`)「あ? 出てきた? いきなり何をいってるんだよ。それより、元気にしてたか」

(*゚ー゚)「え? あ、う、うん。お兄ちゃんは?」

('A`)「元気だぞ。当たり前じゃないか。時々メールしてただろ?」

(*゚ー゚)「そう、だね。うん。何となくね、会う気はしてたんだ。
ほら、メールでいっていた就職先が近くだからさ」


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 06:48:32.26 ID:nMCi3TeY0
感慨深げに呟いた妹は、十年前の面影を残す童顔を綻ばせた。
当人からしてみれば、この再会は嬉しいものではなかっただろうに、
ドクオは妹の誘いに乗り、借りたばかりだと言う部屋に向かった。

部屋は広く、立地条件も良い。

「自分が住んでいるアパートが勝っているのは、家賃の安さくらいか」ドクオが呟くと、妹は気恥ずかしそうに笑った。

('A`)(そういや、よく笑うな。こんな性格だったっけ)

(*゚ー゚)「うん? どうかした?」

('A`)「あ、ああ。美人に育ったもんだと思ってさ」

(*゚ー゚)「へえ。口だけは上手くなったみたい」


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 06:49:41.45 ID:nMCi3TeY0
妹は照れくさそうに頬を撫で、一部屋一部屋案内して回った。
お気に入りの洗面所には洗濯機があり、浴室の床には毛の一本も落ちていない。
そういえば、玄関口にも砂利は見当たらなかった。

('A`)「昔から掃除は得意だったか」

(*゚ー゚)「うん。別に好きじゃなかったけどね。
お母さんが働いていたから、仕方なかったんだよ。
お兄ちゃんは、自分の部屋さえ掃除しなかったよね」

自分の部屋と妹の部屋は、中央を布で遮っただけの粗末なものだった。
隣家が火事に遭い、延焼した火がドクオの家まで襲ったのだ。

J( 'ー`)し「すぐに直すからね。それまで、ここで我慢してね」

しかし、結局修理された家を見ることはなく、ドクオは家を出てしまった。


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 06:50:21.35 ID:nMCi3TeY0
(*゚ー゚)「火事から三ヶ月くらいしかいなかったよね。
本当に、すぐに出ていっちゃった。みんなを置いてさ」

('A`)「確か、部屋のことでお前を泣かせたんだっけ。
『何でしぃなんかと一緒の部屋に住まなきゃなんねーんだよ!』って」

(*゚ー゚)「あはは。そんなこともあったね。あ、そこは駄目だよ」

寝室だと見当をつけ、素直に別の扉を開く。
最上階に近いため、眩しいほどに明かりが入り込んでいる。

(*゚ー゚)「家はずっとあのまんまだよ。
ほら、お父さんの医療費が凄かったじゃない?
だから、直す余裕なんてなかったんだ」

('A`)「国とか県から保障はなかったんだっけ?
隣の家からだって慰謝料とか取れそうなもんだけど」


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 06:50:58.39 ID:nMCi3TeY0
「わかんないよ」そう呟いて、しぃはリビングに面した台所に入った。

(*゚ー゚)「慰謝料に使っちゃったのかもしれないし。
ねえ、お腹は空いてない? 久しぶりにご馳走してあげるよ」

('A`)「減ってないよ。それにしても、結婚相手は高給取りみたいだな。
どこの会社だっけ。商社だって聞いた気がするけど」

(*゚ー゚)「違うよ。小説家」

('A`)「そうだっけか。じゃあ、俺と一緒だな。ちょっとトイレ借りていいか?」

(*゚ー゚)「あ、うん。さっき案内したよね?」

('A`)「憶えてるって」


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 06:52:42.70 ID:nMCi3TeY0
 3

兄が出ていくと、途端に部屋が静まり返った。
妙な出会いに初めは困惑したけれど、兄は普通の兄に戻っていた。
病気は治ったのかもしれない。時々変なことを口走る。でも、よくなっている。

(*゚ー゚)(それよりも問題はあの人だよね。
仕事もいいけど、もう少し家にいて欲しいな)

夫は頻繁に取材で海外にいく。
人気は上々で、印刷数が多いのは喜ばしいけれど、
結婚しても寂しい生活は辛かった。


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 06:53:23.24 ID:nMCi3TeY0
物心つく頃から父は入退院を繰り返し、家が火事に巻き込まれる頃になると、
手術を控えて家には戻らず、母は残業を増やし、しぃの就寝後に帰宅し、
起床する前に出社することを繰り返していた。

唯一の話し相手だった兄は、夜逃げをするように家を出てしまった。
それからは、独房にいるような生活が延々と繰り返されるようになった。

(*゚ー゚)「子供が欲しいのになあ。精子でも買おうかな」

呟いて、ふいに顔を上げた。

(*゚ー゚)「あ、お兄ちゃん。戻ってたんだ」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 06:54:48.42 ID:nMCi3TeY0
('A`)「夫とは疎遠なのか」

(*゚ー゚)「う、うん。仕事が忙しいみたい。お兄ちゃんは?」

('A`)「俺なら、こんな美人の嫁さんは放っておかないけどな」

兄の顔が霞んで見えた。
大げさに床に倒れ伏せてから、こめかみの痛みを感じ、殴られたのだと気づいた。

('A`)「どうだろうな、俺なんか。精子バンクって高いんじゃないか?」

(*゚ー゚)「血が……」

('A`)「なあ。俺、童貞なんだよ。お前はもうやったのか?
寝室、見せてくれなかったよな。大人の玩具でも置いてあるのか?」


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 06:55:58.91 ID:nMCi3TeY0
(*゚ー゚)「な、何いってるのよ。お兄ちゃ」

('A`)「駄目だぞ。片付けは得意なんだろう。
使った後はしっかりと仕舞っておかなきゃ。
主婦失格だぞ。俺が夫だったらどうするんだ。なあ」

兄に男を感じたのは、いつ以来だろう。
朦朧とする頭で考えたのは、そんなくだらないことだった。

一緒にお風呂に入った時だっけ。
お父さんのと違って、大きくなっていた気がする。

(*゚ー゚)(お兄ちゃんって、こんな顔をしてたっけ)

持ち上げた両手の向こうで、薄い唇が歪んだ。


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 06:56:10.07 ID:nMCi3TeY0
うんこしてくる。


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:00:36.61 ID:nMCi3TeY0
ふう。出た出た。山盛りだ。後で食べよう。


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:01:43.92 ID:nMCi3TeY0
 4

('A`)「なあ。なあ。しぃ。久しぶりだな。
何年ぶりかな? 十年? 二十年? 三十年?
長いなあ。長すぎるよな。長いよ。何年だろう。
三十年? 二十年? 十五年? 十二年? 三十年?」

妹の髪は柔らかくて、冷たくて、女の匂いがした。
夜中に布を捲り、鼾を掻く妹の顔を何時間も眺めていた。
次の日は、頬に触れてみた。柔らかくて、温かくて、思わず口をつけた。
冷え切った唇が熱を感じて、とても気持ちが良かった。

妹の体は細かった。家系だろうか。ドクオも細い。母も細い。父だけが太っていた。
でも、それは若い頃だけだ。父の元気な写真は、結婚式の時のものしか残っていなかった。


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:02:24.72 ID:nMCi3TeY0
J( 'ー`)し「写真? 捨てたわよ。不憫だもの」

全然不憫そうな声には聞こえなかったけれど、あれは本心だったのだろうか。
母は、金食い虫の父を好いていたのだろうか。後悔していなかったのだろうか。
ドクオは後悔していない。家を出たことも、その原因にも。

('A`)「そうだ。久しぶりにお風呂に入ろうか」

しぃの体を抱きかかえ、「軽いなあ」と笑う。

('A`)「しっかりご飯を食べなきゃ駄目だぞ。
そうだな。後で俺が作ってやるよ。しぃは卵焼きが好きだったんだよな。
それも、砂糖の入った甘いやつが。しっかり憶えているよ」

狭い廊下を歩きながら、妹に話しかけ続ける。
どれだけ喋っても、話題が途切れることはない。


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:03:16.04 ID:nMCi3TeY0
洗面所に入り、洗濯機の扉を開ける。

('A`)「洗剤はどのくらいがいいのかな」

適当に入れてみる。多すぎたら、薄めればいいのだ。

('A`)「軽いなあ。しっかりご飯を食べなきゃ駄目だぞ。
そうだな。後で俺が卵焼きを作ってやるよ。
わかってるって。甘いのだろ? しっかり憶えているよ」

回転を始める洗濯機を横目に、寝室の扉を開く。
柔らかい絨毯を踏み、箪笥に手をかけた。

('A`)「下着は何色がいいかな。しぃに似合うのは、白かな。
桃色もいいなあ。薄い桃色。でも、ないな。ない。
買ってこようか。しぃは長風呂だから、時間は……」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:03:47.49 ID:nMCi3TeY0
ふいにドクオの声が途切れた。
手に下着を持ったまま、石化したようにベッドを凝視し続ける。

('A`)「ない。ない。ない。ない」

下着を放り投げ、ベッドに飛び込む。

('A`)「ない。ない。ない。ない」

物差しで計ったように整えられていた毛布が乱れ、ドクオの唾液が染み込んだ。

('A`)「バイブは? ローターは? 麻縄は? 蝋燭は? 注射器は?
ない。ない。ない。ない。ない。ない。ない。ない。どこにもない」

ドクオは叫びながら、廊下に飛び出す。
そして回転する洗濯機から見える妹の顔を振り払うように、外に飛び出した。


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:04:14.82 ID:nMCi3TeY0
 5

久しぶりの帰郷は、大して感慨深いものではなかった。

豊かな自然は姿を消し、砂利道は整備され、
田園地帯の広がっていた場所には高層ビルが聳えてはいたが、
何の感情も沸かないのは、十年が経ったからだろうか。

('A`)「十五年って、意外と長いんだな」

植物のようにベッドに根を張る父に話しかける。


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:05:24.72 ID:nMCi3TeY0
('A`)「ここら辺は変わっちゃったな。でも、しぃは変わっていなかったよ。
小さくて、華奢で、素直なままの美人だった。
若奥様って感じだよ。親父は幸せ者だな。あんなに出来た子はいない」

('A`)「カーチャンはまだ見舞いに来るのか?
することないだろうにな。カーチャンも何か話してるか?
え? 話せないのか? 俺には? まさか、あのことは話してないよな?
だって、あれだろう。あれは秘密にしとくって、誰にもいわないから、出ていけっていわれたんだぜ。
だから出ていったのに、話しちゃったのか? 話したんだな? だから黙ってるんだな?」

('A`)「ここら辺と一緒に、カーチャンも変わっちゃったんだな。
いい母親だったろうになあ。黙ってればな。喋っちゃったか。糞婆……」


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:05:51.42 ID:nMCi3TeY0
 6

唯一、変わっていないもの、変わっていて欲しいものは、
ドクオが家を出た時のまま、不細工な格好を晒していた。

('A`)「こんにちは。三河屋でーす」

室内に響く余韻を楽しんでから、腹に手を当てて笑い転げる。

('A`)「なんちゃってな! ぶはははは。ぶわっはっはっはっは」

J( 'ー`)し「……」

('A`)「あっはっは……ただいま」

J( 'ー`)し「ドクオ。出てきたのね」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:06:37.18 ID:nMCi3TeY0
('A`)「ああ。暇だったからな。親父の見舞いもいってきたよ。
まだ生きてんだな。いや、生きているのかな。死んでるのかな。
呼吸はしていても、糞尿を垂れ流しても、生きているっていえるのかな」

J( 'ー`)し「当たり前でしょう。お父さんは生きてるわよ」

機嫌の悪い時の顔は変わっていないようだ。
変わっていて欲しいのに、変わっていない。

('A`)「変わらないな。あんたも、しぃも、親父も変わらない。
何で変わらないんだ? 十五年だぞ。十五年も経ったのに何でだ?」

J( 'ー`)し「いきなり何をいってるんだろうね、この子は」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:07:22.93 ID:nMCi3TeY0
('A`)「答えてくれよ。もうあんたしかいない。
親父は死んだ。しぃも死んだ。あんたと俺だけだ」

J( 'ー`)し「お父さんは死んでいないっていっているでしょうが!」

('A`)「死んだよ。俺が殺した。しぃも殺した。残っているのは俺とあんただけだ」

J( 'ー`)し「何をいってるの」

('A`)「本当に、どうしてだよ。どうして俺を追い出したんだ?」

J( 'ー`)し「うるさいわね。あんたの頭がおかしくなったからでしょうが!」

('A`)「頭?」


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:08:17.76 ID:nMCi3TeY0
J( 'ー`)し「忘れちゃったの? それとも忘れた振りをしてるの?
あんたは気が触れて、しぃを襲おうとして、それで精神病院に入れられたんじゃないの」

('A`)「精神……病院……」

J( 'ー`)し「あんたはクズなのよ。馬鹿なのよ。気違いよ。
ブーン君は東京で小説家になったっていうのに、本当にあんたはどうしようもない子だわ。
どうしてよ。ねえ。どうしてなの? どうしてあんただけ狂ったの? あたしのせい? そうなの!?」

肩を押され、足が絡まって地面に転がった。
母は口角から泡を飛ばしながら、ドクオの顔を蹴り飛ばす。

J( 'ー`)し「どうして私だけ馬鹿にされるの? どうして石を投げられるのよ!
道であったら内緒話して、噂して、見下して、馬鹿にして、馬鹿にして、馬鹿にして」


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:09:21.08 ID:nMCi3TeY0
唐突に浮かぶ光景。母の顔が霞み、記憶が遡る。

訪ねてきた旧友。取り壊されていく家。潰れた蛇。
小説家。成り代わり。ブーン。ドクオ。あんぱん。

机に散らばる書きかけの原稿用紙。堆く積まれた源氏物語。

ドクオはブーンに。ブーンはドクオに。

そして再び、ブーンはブーンに、ドクオはドクオに戻っていく。

J( 'ー`)し「馬鹿にし」

鮮明になる視界に映った足をつかむ。
手首が不自然な方向に曲がり、激痛が脳を刺激する。
だが、激痛は脳に留まったまま、何も感じない。


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:11:11.91 ID:nMCi3TeY0
J( 'ー`)し「この……親不孝もの」

('A`)「親不孝もの? けひっ。あんたの息子はいねえよ。この世にいない」

J( 'ー`)し「はあ?」

('A`)「あんぱん、喰うか?」

J( 'ー`)し「あ、あんぱんって、あんた……」

('A`)「うるせえな。喰うかって聞いてんだよ!」

頭を脛に向かって振った。
衝撃が頭蓋骨に響き、朦朧とした意識が現実に引き戻される。
呻き、足を抱えるドクオの母を見下ろし、歪んだ笑みを浮かべる。

('A`)「死ねよ。死ね。潰れろ。潰れろ。潰れろ」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 07:12:22.88 ID:nMCi3TeY0
力いっぱい足を振り下ろす。手が弾けるように飛び、
剥き出しになった顔に足が吸い込まれる。

不機嫌な顔は恐怖に塗り替えられ、血が折れ曲がった鼻を覆う。
唇は切れ、悲鳴とともに折れた歯が飛び出した。

J( 'ー`)し「ひゃめ、ひゃめて。ドクオ。ドクオ」

足を下ろし、髪の毛をつかんで醜い顔を引き寄せた。

('A`)「ドクオって誰だ? 俺は、ブーンだ」

めり込んだ額を引き、繰り返し首を振った。
やがて力の抜けたドクオの母を離し、笑みをこぼした。

('A`)「やべえな。締め切りに間に合わない」

顔の汗を拭い、空を見上げる。
ひとつ浮かんだ大きな雲は、遥か昔になくした親友のように思えた。


おしまい。

※これは、「ブーンが帰郷するようです」の続きです。


 
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  • 2007-12-23 13:09
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それにしても、ドクオの狂いっぷりや前作の視点変更が凄いですな。
  • 2007-12-23 15:15
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