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十回オナニー 第九話①

 
 ~ ~ ~


『もうすぐ予定日だな。 ……おい、キツくないか?』

『うふふ、大丈夫……
 あ、ほら、また蹴った』

『どれどれ。 お、本当だ。 こりゃお前に似て元気な子になるな』

『……あなた、この子の名前、考えて』

『いや、まだ性別もわからないのに』

『きっと女の子よ。 先生もそう言ってたもの』

『女の子か、だといいな』

『絶対よ。 絶対女の子。 わたしの予感は……』

『外れたことがない、か』

『ふふ……』




 
『……実は、もう考えてあるんだ』

『え!? ……ほんとに?』

『ああ』

『聞かせて、早く』

『名前……名前は、しぃだ』

『しぃ……』

『ああ、しぃ。 絶対、お前に似て可愛い子になるぞ』

『しぃ……私たちの、しぃ。 もうすぐ会えるわね……』

『ああ。 君もとうとう母親になっちゃうんだな』

『ふふふ……あなたは、お父さん。 可愛い娘を持った御感想は?』

『おいおい、まだわからないよ。 産まれてからだろ、そういうのは』

『うふふふ……』

『ははは……』




 
 ~ ~ ~
 
■( ^ω^)は十回オナニーするようです
■九回目の朝(四回目の月曜日)・開始


( ^ω^)「……お、朝かお」

目が覚めると、そこは普段から変わらぬ自分の部屋だった。
ヲタグッズ、ポスター、フィギュア、抱き枕に腐女子御用達のBLノベルまである。

( ^ω^)「……なんか体が重いお」

なんだか深い倦怠感がある、溶かした鉛が体の先端に溜まっているようだ。

( ^ω^)「…………なんだか、凄く嫌な気分だお」

そのまま数分間、だるー、と、ベッドの上でごろごろとしていた。
だがそのままでいる訳にも行かないので、のろのろと荷物をまとめ(学校で読むラノベと漫画)、
制服に着替え(しわだらけ)、朝食を食べる為に1階へと降りる。




 
( ^ω^)「…………」

ξ゚⊿゚)ξ「な、なによ、人の顔見たら挨拶ぐらいしなさいよ……」

( ^ω^)「おはようだお……」

ξ゚⊿゚)ξ「暗いわね……、死人みたいな顔してるじゃない」

今日は鏡を見ていないが、物事をはっきり言うタイプのツンがそう言っているなら
(特に彼女は、ブーンには容赦が無い)そうなのだろう。
夏休みが終わり、宿題が終わっていない時のような倦怠感と疲労感が、身体を侵している。

J( 'ー`)し「おはよう、ご飯できてるからちゃっちゃと喰ってとっとと行ってきなさい」

( ^ω^)「…………」

……何所に朝ごはんがあるのでせうか?




 
テーブルの上、ブーンの定位置にあったのはパンくずが散っている皿だけであり、それ以外の何もなかった。

( ^ω^)「……お姫様?」

ξ゚⊿゚)ξ「何」

( ^ω^)「何故に僕の朝食がないのでせうか?」

ξ゚⊿゚)ξ「喰った」

( ^ω^)「誰が」

ξ゚⊿゚)ξ「私が」

やっぱりお前か。




 
( ^ω^)「ただでさえ体調悪いのに朝飯抜きは勘弁だお……」

だるそうにするブーンを、ツンが少し心配そうな顔で眺める。

ξ゚⊿゚)ξ「本当に大丈夫?」

( ^ω^)「休むほどではないお……」

腹は減ってるがな。

( ^ω^) 「ちなみに、今朝の朝食は?」

ξ゚⊿゚)ξ「トーストと目玉焼き。 どうもごちそうさまでしたっ☆」

( ^ω^) 「くっそう、至って平然と言いやがって……お?」

( ゚ω゚) 「……!!」

その瞬間、彼は思い出していた。
光を鈍く反射する白身の淫猥でぶよぶよとした佇まいと、その中心に空いた穴。

欲情を掻き立てる、艶かしい白色。
そして、このあと手渡されるであろう、BL小説の表紙のイラストを。



 
(; ^ω^) (……思い出したお。 僕は確か、ちんこが燃えて……ああ……)

繰り返される月曜日の、新たなスタートを切った自分に辟易する。
途端、いかなる時も死の危険性に直面しているという自身の状態が案じられ、
ブーンは落ち着き無くそわそわと視線を動かした。

J( 'ー`)し「そんなに探しても、朝ご飯は帰ってこないわよ」

ξ゚⊿゚)ξ「寝坊すなわち敗北、ってね」

母と妹が茶化す声も、彼の耳には届いていなかった。

(; ^ω^) 「お……あれ? なんで?」

閃光とともに脳裏に蘇った数々の記憶のうち、
何か重要なことが抜けていることにブーンは気付いたのである。

そう、そこには一つだけ、不可解な部分があった。

( ゚ω゚) 「お……ごちそうさま!!」

J( 'ー`)し「ごちそうさまって……食べてないでしょ」

ξ゚⊿゚)ξ「ちょ、兄貴……」

声のほうへ振り返ることなく、彼は一直線にトイレへと駆け出していた。



 
( ^ω^) 「……」

便器を前にベルトを外し、制服のズボンを降ろす。
トランクスのゴムを引っ張って、その下にある見慣れた世界へ視線を落とした。

( ^ω^) 「……あう、やっぱり……」

あるべきことが、今朝はない。
繰り返される月曜日の中、
変わらず組み込まれていたはずの”現象”が、すっぽりと抜け落ちていたのだった。

(; ^ω^) (け、今朝は夢精してないお……)

それは、パンツの中の白い洪水。

意識した途端、衣服の僅かな擦れによる刺激にもいち早く反応し、
ブーンのエクスカリパーは元気よく隆起し、脈打ちはじめる。

だが、常に暴発寸前、一触即発のクレイジーボーイであったはずの股間は幾分落ち着きを保っており、
いつにない余裕が感じられるのであった。

それは慣れというよりも、むしろ。

(; ゚ω゚) (い、いやだお、そんなはずないお)



 
『昨日の月曜日』、彼らにかけられた言葉が脳裏を過ぎる。

人の性欲を、取り巻く”影”として目視できる少年と、
ループする月曜日の中で、なおも記憶を失うことのない、不思議な少女の言葉。


(´・ω・`)『君の影なんだが──段々と、小さくなっている』

∫λリ゚ -゚ノノ 『赤玉』

(´・ω・`)『その代わりに──君の蒼い影に混じって、少しづつ現れ出したものがある
       ──紅い、影だ』

∫λリ゚ -゚ノノ 『打ち止めが近いのではないだろうか』






       『十回目の死を迎えた時、君は本当に死ぬ』




 
( ´ω`)「……」

ブーンは肩を落とし、とぼとぼと通学路を辿る。

いつも待ち合わせるはずの交差点にドクオの姿はなかった。
あまりの遅さに待ちきれず、先に学校へ向かったのであろう。

( ´ω`)「……」

それでも、彼は急ぐ気にはなれなかった。
巡る思考の中には、常に『ED』『打ち止め』といった、ネガティブな言葉が織り込まれている。

見なくともわかる、おそらく鞄の中には例のBL小説が押し込まれていることだろう。
トイレに行っている間、リビングに鞄を置きっぱなしだったからだ。




 
寝坊した上、さして急ぐ事も無く登校したブーンは、当然ながら遅刻した。

('、`*川 「……! ……!」

( ´ω`)「……」

担任教師であるペニサスの叱責も耳に入らない。

('A`)「ずいぶん派手に遅刻やらかしたなあ」

1時間目の終わり、ドクオにかけられた第一声にも、まともに答える気にはなれなかった。

( ´ω`)「……すまないお」

('A`)「いいってことよ。 なんか、体調悪そうだな」

( ´ω`)「……」

(;'A`) 「……ホントに大丈夫か? 今にも死にそうな顔してるぜ」

(|||´ω`)(……死……)

若くして生殖機能を失った自身の未来を想像し、悪寒に身を震わせた。

皮肉なことに、暗いオーラを漂わす彼の下半身は、
しょげ返った彼の様子とは裏腹に、隆々と天を仰ぐ──ごんぶとだったという。






 
('、`*川 「あなたはいい子なんだけどね……、
      なんというか、ベクトルを少しでもいいから勉強の方に向けてくれないかしら」

( ´ω`)「……」

放課後、職員室。
今日の小テストの結果について、担任のペニサスから一言あるようだった。

('、`*川 「10点中0点は不味いでしょう……、
      まぁ、今日は顔色も悪かったみたいだけど」

( ´ω`)「……」

('、`*川 「ちょっと、聞いてるの?」

( ´ω`)「……申し訳ありませんですお」

('、`*川 「なんだかいつもの元気が全然ないわね。 具合悪かったの?」

( ´ω`)「……すみませんですお」

('、`*川 「しおらしいのかなんなのか」

朝からの気だるさは取れなかった。
昼食の素うどんも結局半分程度で残してしまい、ドクオから本気で早退しろと迫られてしまった。





 
('、`*川 「しょうがない、ちょっとおいで」

( ´ω`)「……?」

手招きのままに、ブーンはペニサスへと近寄った。
そのままぼーっとしていると、額に冷たいものが当たる。

ペニサスの手のひらだった。

( ^ω^)「あ……」

('、`*川 「ふうん、少し熱っぽいわねぇ、君にしてはよくがんばった」

そのままぐい、と体を持ってこさせて、抱きしめられた。
肩をぽむぽむと叩かれる。

小さな教師の体から、暖かい体温が伝わってくる。

( ^ω^)「せ、先生?」

('、`*川 「……うん、心臓は動いてる、生きてるね」

そりゃアンタ。
死んでたまるか。

三本目の足がはち切れんばかりに怒張したのを隠すように、
前傾しながら、そう決意した。




 
体調不良という原因を汲んでくれたのであろう、
ブーンはさしたるお咎めもなくペニサスから解放された。

( ^ω^) 「でも、なんだか元気が出てきたお」

抱き締められた時の柔らかさとぬくもり、鼻腔をくすぐる甘い香りを思い出す。

(; ^ω^) 「う……危ない危ない」

股間はそれ以上の元気と熱を帯びていた。


職員室から出ると、制服の内ポケットが一瞬だけ震える。

( ^ω^) 「!」

教師に見つからないよう、注意深く階段のところまで出てから携帯をチェックする。
発信源はドクオ、おそらくワンコールだった。
あまりの遅さに業を煮やしたのかも知れない。



 
( ^ω^) 「今日はドクオを待たせっぱなしだお、悪いことを……お?」

ディスプレイの中心には着信の他に、数件もの新着メールの表示が踊っていた。

( ^ω^) (そう言えば、今朝マナーモードにしてからずっと、メールチェックしてなかったお)

ブーンの携帯は、着信に関してのみバイブが鳴るように設定してある。
時間を置いて何度もメールを受信していたが、
それらに気付く事無く一日を過ごしてしまったようであった。

発信者のアドレスを注意深く確認する。

obutu.ha.shoudoku@XXXX.XX.XX

( ^ω^)「おぶつ、は、しょうどく……?」

Σ( ^ω^) 「!……クーかお」

恐る恐る開いていくと、メールの文面は、
その全てが、放課後屋上に来るよう促すものだった。

( ^ω^) 「え、屋上に……?」

そう考えているうち、ヒンジ横のランプが点滅した。
画面の上部に新しいメールが届いたことを知らせるマークがつく。

( ^ω^) 「!」




 
急いで開くと、送信者はまた同じ相手。

----------------------

件名:内藤へ

メール見ていないのか? 私はもう屋上にきている。
ショボンも一緒だ、早く気付いてくれ

----------------------

( ^ω^) 「クーが、屋上に……しかもショボン先輩も」

( ^ω^) 「……ドクオ、すまないお!」

簡素なメールをドクオに送り、先に帰るよう促すと、
ブーンは昇降口近くまで降りてきていた階段を再び駆け上っていったのだった。

 
 ~ ~ ~


『どうして? どうしてなの? ねえどうして?』

『……すまない。 今日はだめなんだ、疲れてて』

『今日はって……ここのところ毎日じゃない! ねえ、何日してないと思ってるの?』

『最近仕事が忙しいんだ、わかってくれ、頼む』

『そ、それでも、少しくらい……』

『いや、その……と、とりあえず風呂に』

『ねえ、ちょっと……聞いてるの!! ねえ!!』

『おぎゃあぁぁ、ふぎゃあぁ……』

『……おい、声が大きいよ。 しぃが起きちゃったじゃないか』

『……』




 
『どうして? どうしてなのよ』

『だから言ったじゃないか、今日は本当に疲れてて……』

『嘘! 私知ってるのよ!』

『……な、何をだよ』

『毎晩、私が寝たあと、オナニーしてるでしょ』

『……!! それは、いや、ええと』

『今日は何で抜くの? そんなに二次元がいいの? ねえ?』

『だ、だからもう、声が大きいって、馬鹿……』

『馬鹿はどっちよ! ねえ、ねえったら!』

『と、とにかく、しぃを寝かしつけといてくれよ』

『ちょ、待っ……!!』

『ふぎゃぁぁあ、びゃぁぁああ……』





 
『畜生、畜生、畜生……』

『ぎゃあぁあ、ひびゃああぁ……』

『……』

『ふびゃああぁああ……』

『……だまりなさい』

『ひっく、ふぐ……』

『黙れ!!』

『ふあぁ……ぎゃあ!』

『……どうした? おい、何やってるんだお前!!』

『何なの!? 私はあなたにとっての何なのよ!! ねえ!!……』

『おい、どうしたんだ、馬鹿、落ち着け!』

『びやぁあああぁぁ……びゃあああ……』

『……!! ……っ!!』

『ふぎゃあああぁあ……』

 
 ~ ~ ~


屋上は普段から開放されている場所ではない。
踊り場まで駆け上がったブーンは、鍵が掛かっていたらどうしようかと一瞬ためらいを覚えた。
しかし、クーたちは既に来ているのだという事実を思い出し、ノブを強く捻った。

( ^ω^) 「おー……風が気持ちいいお」

一歩踏み出すと、吹き込んできた風がふわりと前髪を撫でつける。
住宅街の近くに位置するこの学校の周りには、背の低い建物が多く、
屋上からは、街の様子が遠くまで見渡せた。

( ^ω^) 「おっお……クー達は……おっ」


上部が針金で覆われたフェンスの下。
壁から地面へ直角に伸びた鉄のパイプを椅子代わりに、
見慣れた女の子が、見慣れない姿でそこにいた。


川 ゚ -゚) 「……ようやく主役の登場か」


長い艶やかな黒髪とチェックのスカートが軟風にひらひら靡く。
初めて見る制服姿だった。





 
ブーンの姿を見止めるや否や、彼女はショボンと一緒に立ち上がる。

川 ゚ -゚) 「遅いぞ、待ちくたびれた」

(´・ω・`)「……どうやら、事態はより深刻な方向に向かっているようだね」

( ^ω^) 「それはどういう事ですお?」

挨拶もそこそこに質問を浴びせる。
クーは溜め息混じりに俯くと、やれやれといった様子で腰に片手を当てた。

川 ゚ -゚) 「本当にわからないのか?」

その言葉に、ブーンはハッと顔を上げ、それから表情を曇らせた。

(; ^ω^) 「……あ、影……ですかお?」

ショボンが、コクリ、と頷く。

(´・ω・`)「ああ、紅い影が……蒼と混ざり合うことなく、幾重にもゆらめいてるよ。
       まるで立ち昇る炎みたいだ」

線の細い華奢なシルエットが、バックの大空と溶け合っていく。
まるで美少女二人を相手にしているような錯覚を覚えて、ブーンは思わず視線を落とした。




 
川 ゚ -゚) 「何を考えたんだ? この変態・エロエロ・年中発情期野郎」

(; ^ω^) 「会ったそばからそれかお……」

川 ゚ -゚) 「その言葉、そっくりそのままお返ししよう」

(; ^ω^) 「な、なんのことだかさっぱりだお」

川 ゚ -゚) 「言い訳のテンプレみたいだな。 全然誤魔化せてないから安心したまえ」

(´・ω・`)「まあまあ……」

言い合う二人をたしなめながら、ショボンが続けた。

(´・ω・`)「僕には『昨日まで』の記憶はないけど……
       今、君に起こっている事態の全ては、彼女から聞いて把握したつもりだよ。
       ブーン、君を覆う紅い影は……おそらく前よりももっと大きくなっている」

( ^ω^) 「そうですかお……」

(´・ω・`)「事態は一刻を争うね」

( ^ω^) 「……」

予想できたこととはいえ、ブーンは消沈の色を隠せなかった。




 
グラウンドからは、体育系の部活動が発する、威勢のよい掛け声が響いていた。
仰ぐ空は日が傾きかけ、その半分を覆う入道雲が街の方向へゆっくり流れていく。
工業地帯のほうから列車の警笛音が小さく聞こえてくる。

そよぐ風が彼らの髪を、衣服を静かに揺らしていた。


川 ゚ -゚) 「……」

そんな彼の真正面にクーがとことこと歩み寄り、小さな体を静止させる。
あと数センチでくっついてしまうほどの距離まで近づくと、上目遣いでブーンの視線を正面に受ける。

(; ^ω^) 「な、なんだお」

彼女の端整な白い顔がブーンの真近にある。 丸く輝く両のまなこに見つめられ、心臓が早鐘を打つ。
しかしその直後、『三日前の月曜日』……彼女のマンションでクーに殺されたことを思い出すと、
ブーンは一歩、そこから後ずさった。

川 ゚ -゚) 「なあブーン、何のために私たちが今こうしてここに居ると思うんだ?」

( ^ω^) 「え? そんな……何のためって……」

言いよどむ彼のほうに一歩近づき、一呼吸おいて、クーは再び口を開いた。

川 ゚ -゚) 「君が右往左往するのが面白(´・ω・`)「君を助けたいんだ」

( ^ω^) 「!」





 
川 ゚ -゚) 「……というわけだ。 何の考えも当てもなく、君の様子をただ眺めにきたわけじゃない」

不登校の彼女が、慣れない制服を着てまで学校に出向いてくれたこと。
それも、ショボンと事前に連絡をつけて、わざわざ二人一緒にだ。

川 ゚ -゚) 「『昨日の月曜日』、車の中でショボンのアドレスを聞いておいて正解だったよ」

(; ^ω^) 「そうかお……って、仮にも二年生だお。 ショボン先輩と呼べお」

(´・ω・`)「先輩というよりは、兄貴と……」

川 ゚ -゚) 「ん?」

(´・ω・`)「いや、何でもないよ」

川 ゚ -゚) 「そうか」

( ^ω^) 「……お」

そんな彼らの様子に、ブーンは素直に感謝の念を抱き、安堵の溜め息を漏らした。
一日通してモヤモヤしていた気分が弛緩し、胸中を心地良い空気が満たしていく。

例え、かつて自分を殺した加害者が、他ならぬ彼らふたりであったとしても。


( ^ω^) 「……ありがとう。 嬉しいお」




 
川 ゚ -゚) 「なあブーン……昨日も言っただろう?」

( ^ω^) 「?」

川 ゚ -゚) 「君は、死を回避することができるんだ」

( ^ω^) 「死を、回避……?」

(;´・ω・`)「今まで本当に何も考えてなかったんだね」

呆れた様子のショボンを意に介さず、クーが言葉を続ける。

川 ゚ -゚) 「……物事にはかならずそうなる理由があり、そうなるべくファクターが介在する。
     それを取り除くことこそが死の回避方法であり、君が勝利へ向かう道筋の一つなのだよ」

( ^ω^) 「というと……? どういう事だお?」

川 ゚ -゚) 「君に耳よりな情報を与えてやろう」

( ^ω^) 「お?」

川 ゚ -゚) 「君の勝利条件とは、死なないこと」

(´・ω・`)「それはね、言い換えれば……」



          『君は、今日を生き延びさえすれば勝ちになるんだ』




 
?( ^ω^)? 「え? どうしてそう断言できるんだお?」

顔中にハテナマークを貼り付けながらブーンは聞き返した。

川 ゚ -゚) 「君が私に語ったことと、現在の状況を加味するとそうなる」

( ^ω^) 「今日かお? 今日だけ乗り切ればいいのかお?」

川 ゚ -゚) 「おそらくな」

( ^ω^) 「おそらくって……は? え? なんで? どうして? 根拠は?」

川 ゚ -゚) 「落ち着け、ウザいから」

(´・ω・`)「うん、すっごくウザい」

(|||^ω^) 「……ごめんお」

彼が押し黙ったのを見て、ショボンがゆっくりと口を開いた。

(´・ω・`) 「この考えに行き当たった理由は二つある。
       まず一つは、君が、今まで何度か欲望を抑えてきたにも関わらず、
       それが『十回のうち一回生き延びた』ことにカウントされなかったという事実」

川 ゚ -゚) 「それと私たち二人が、今日という『月曜日』を、幾度かループしていること」

(´・ω・`)「つまり、この”一日”というのがキーになると思うんだ」





 
( ^ω^) 「……お……?」

ブーンの呆けた表情を受け、クーがその先を続ける。

川 ゚ -゚) 「一度や二度、欲望に抗い打ち勝ったことは『生き延びた』うちに入らない。
      それは即ち、死の対象となる『期間』が存在することを意味する。
      提示された『十回の死』へ導く数々のトラップは、おそらくこの一日に、その全てが集約されているのだろう」

(´・ω・`)「つまり、この一日を乗り切ることこそが、
       『十回のうち一回生き延びる』という、ゲームの『勝利条件』における、本質なのだと思う」

( ^ω^) 「……ほえー……」

半開きの口許から涎が垂れそうになり、ブーンは慌ててそれを啜る。


川 ゚ -゚) 「何故私までもが『繰り返される月曜日』の記憶を持っているのかは知らん。
      対戦相手も知らされず勝利条件も曖昧という、あまりに不利な状況の君に対して
      審判たるゲームの首謀者が与えた”サービスキャラ”なのかも知れないな」

(; ^ω^) 「サービスって……。
      (好奇心から僕に掃除機を押し当てたくせに良く言うお。 むしろ地雷キャラだお……)」


 
ブーンが溜め息をついたその瞬間、頬を撫でる程度だった微風が、突如強まった。

Σ川*゚ -゚) 「わっ」

( ゚ω゚) 「!!」

クーのスカートが勢い良くめくれあがり、腰を覆うまばゆい三角形が全体像を露わにする。
腰に手を当て胸を張ったポーズのまま、彼女は固まっていた。

川;゚ -゚) 「う、み、見たか?」

それにつられ、ブーンのアレがこれまた勢いよく盛り上がる。

(; ^ω^)ノシ 「(白……!)ぜ、全然まったく興奮してないお! ホントだお!」

川;゚ -゚) 「否定するとこが違うだろう……見たんだな」

(* ^ω^) (サービスキャラ……ひょっとしたらそうなのかも知れないお)

(*´・ω・`)(Wow……ジャパニーズ・ウタマロ……)


 
川;゚ -゚) 「おわっ……と、ともかくだ!」

なおもふわふわと舞い上がるスカートを空いた片手で抑えつけながら、クーが先を続けた。

川 ゚ -゚) 「ブーン……内藤ホライゾン。
      君には取るべき行動がある。 それも、早急に」

( ^ω^) 「なんだお?」

川 ゚ -゚) 「簡単なことだ。 もう、君は何もするな」

( ^ω^) 「……は?」

(; ^ω^) 「ちょ……どういうことだお? ”すぐに”、”何もするな”って、意味がわからんお」

川 ゚ -゚) 「ああ。 いいからさっさと帰れ」
  _, 、_
( ^ω^) 「???」

眉を顰めたブーンに対し、ショボンが顎を掻きながら続ける。

(´・ω・`)「図らずして、ぼく達も”加害者”
       ……すなわち、『十回の死』を促す要素の一つとなり得ることがわかっている。
      たとえ不可抗力であったとしてもね」

川 ゚ -゚) (私は自らの意志でブーンを殺したけどな)





 
(´・ω・`)「そこでだ、ブーン……
       僕たちは君に、この後直ちに帰宅し、
       あらゆる外的要因を寄せ付けないよう、明日まで家に篭っているよう、提案するってこと」

( ^ω^) 「……ほえ?」

川 ゚ -゚) 「考えてもみたまえ。 君は今まで、何度絶頂を迎えたと思っている?」

(; ^ω^) 「う……え、ええと……」

突然の質問に、ブーンは一瞬言いよどんだ。

川 ゚ -゚) 「自分のことくらい覚えておけ。
      ……八回。 八回だ」

(|||^ω^) 「八回……もうそんなに死んでしまったのかお」

川 ゚ -゚) 「『十回殺される』という前提が正しいのであれば、残るチャンスはたったの二回。
      それも、次の次、つまり今から数えて二回目の死を迎えた瞬間に、
      君の本当の死が確定してしまう」

(´・ω・`)「つまり、余裕という意味では、今回が最後ってことなんだよね」

川 ゚ -゚) 「今回お手付きしてしまうと、もう君には後がないのだ」

(|||^ω^) 「……お。 し、死ぬのは嫌だお……」





 
言葉で実際に聞かされることにより、改めて自己に差し迫った危機的状況を思い知らされる。
ブーンは目に見えて消沈し、意識せずとも声のトーンが下がってしまうのだった。

川 ゚ -゚) 「……」

そんな彼の横で、クーがスッと背伸びし、細い人差し指を伸ばした。


 川 ゚ -゚)σ)ω^) プニ

σ)ω^;) 「……お?」

川 ゚ -゚) 「らしくないぞ。 体格同様、もっと図太く生きろ」

( ^ω^) 「……一言余計だお」

川 ゚ -゚) 「落ち込んでいても始まらん。 可能性があるのならそれに賭けるべきだろう」

(´・ω・`)「僕もそう思う」

( ^ω^) 「……でも、家でじーっとしているだけで、本当に全てをやり過ごせるのかお……?」

その疑念は、ある種当然のものとも言えた。
彼を死に導くアクシデントの数々は、日常の何気ない瞬間に潜む、見えざる悪魔。
気付けば真横に忍び寄り、彼を荒れ狂う快楽の海へ突き落とすべく、太く長い腕を伸ばしてくる。

(´・ω・`)「コホン」

ショボンの咳払いを合図に、三人の視線が交錯した。


 
 
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