Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://owatalife.blog122.fc2.com/tb.php/91-48f8c94a

-件のトラックバック

-件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

( ^ω^)ブーンは笑顔の素敵な男のようです(前編)

 
 ( ^ω^)ブーンは笑顔の素敵な男のようです(前編)  ジャンル: 恋愛・ホラー
 
 



176 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:26:27.12 ID:hAOav85y0
( ^ω^)ブーンは笑顔の素敵な男のようです
------------------------------------------------------------------------------------

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン君、書類整理終わったの?」

背後から声をかけられ、ブーンは弁当のおかずを盛大に吐き出した。

( ^ω^)「ええ、なんだお?」

慌てて口を拭いながら振り向く。
目の前には、ブーンを睨み付けている女性が見えた。

( ^ω^)「なんだツンさんかお。どうかしたかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「はあ。書類整理は終わったのかって聞いてるんだけど」
( ^ω^)「ああ、あと少しで終わるお。ご飯食べ終えたら、すぐに終わらせるおー」

ブーンの言葉を聞いて、前の席に座っている男が笑った。
その笑いが広まり、第三資料室内が俄かに活気付く。


179 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:33:32.57 ID:hAOav85y0
('A`)「まったく、ブーンは面白い男だよな」

男がそういい、周りのものも次々に頷く。

ξ゚⊿゚)ξ「まったく、笑ってるだけじゃ仕事は進まないんだからね」

ツンは室内を睨み付けながら、自席に戻った。

( ^ω^)「ふう、ツンさんは相変わらず怖いお」
('A`)「まあな。でもお前あいつのこと好きだろ?」
(*゚ー゚)「ええー、ブーン君って、ツンさんのこと好きなの?」
( ^ω^)「しーだお」

仕事は遅いし、顔は悪い。
ブーンはまるで取り柄のない男だったが、無垢な笑顔だけで人を宥め、
なんとか仕事をこなしていた。

( ^ω^)「笑顔が世界を救うんだお」

とか真面目に思っていた。


181 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:38:21.04 ID:hAOav85y0
チャイムが鳴り、就業時間が終わりを告げる。
当然一番最初に席を立ったのは、ブーンだ。

( ^ω^)「それじゃ、お疲れ様だお」

ドクオが顔を上げ、「仕事は終わったのか?」と尋ねる。

( ^ω^)「明日早く来て終わらせるお。それより、今日は釈由美子が出てるドラマを見るんだお」
('A`)「ああ、あの整形女か。可愛いよな」
( ^ω^)「だおだお。あの笑顔は癒されるお」

ξ゚⊿゚)ξ「ふうん、笑顔が可愛い子が好みなんだ?」

冷たい声が空気を震わせ、二人は声のほうを向いた。

ξ゚⊿゚)ξ「いいわよね、笑顔が可愛い子って。しぃちゃんとか可愛いもんね」
(*゚ー゚)「そんなことないですよ。ツンさんのほうが美人です」
ξ゚⊿゚)ξ「どーだか。あれ、ブーン君まだいたの? 早く帰りなよ」

( ^ω^)「……僕、なんか変なこといったかお?」
('A`)「わからん」


182 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:44:16.29 ID:hAOav85y0
「四人?」
「あ、アシスタントも入れてです」
「アシスタントは入れないでしょう、普通」

( ^ω^)「ふひひ、うまい誤魔化しかただお」

テレビでは、由美子ちゃんが困ったように笑っている。
ブーンはそれを楽しそうに見ながら、ビールを流し込む。

( ^ω^)「ぷはっ、やっぱり仕事の後は、釈由美子とビールだお」

綺麗に拭かれている机に空き缶を置き、プルタブを開ける。
見事に整頓された部屋だった。

ベッドシーツは毎週洗っているし、布団もしっかり干している。
雑誌はしっかり紐で縛られて部屋の隅に置かれている。

本棚も大きさを揃え、雑誌や小説の類がきちんと並べられていた。


183 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:48:40.23 ID:hAOav85y0
清潔な座布団の上に正座し、テレビを見つめる。
ドラマが終わると、満足げに笑いながら、残ったつまみを口に放り込んだ。

( ^ω^)「さて、食器を洗ったら、次は洗濯物だお」

立ち上がり、小皿にお湯をためると、取り入れたばかりの洗濯物を丁寧にたたみはじめる。
男の一人暮らしとはいえ、下着や靴下、シャツなど、意外とその数は多い。
一気にたたみ終えると、洗剤をつけたスポンジで食器をちゃちゃっと片した。

( ^ω^)「ジャストタイミングだおっ」

食器を乾燥機に入れた瞬間に、ベルが鳴り響く。

( ^ω^)「早く風呂に入って、寝るとするかお」


184 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:52:52.54 ID:hAOav85y0
父はブーンが小さいころに亡くなっており、母も先週、病院のベッドの上で安らかに息をひきとった。
もともと病弱な母からすれば、幸せな死に方だっただろう。

全裸にバスタオルを巻いた状態で、ブーンは線香をあげる。

( ^ω^)「カーチャン、そっちにはトーチャンがいたかお?」

母は実直な人間だったから、当然天国へいっただろう。
父も過労死だから、真面目な人間だったはずだ。

二人はいまごろ、温かい草むらの上で、仲良く日向ぼっこをしているかもしれない。

( ^ω^)「そうだったらいいお」

笑いながら、箪笥からパジャマを取り出して身に着ける。
バスタオルは洗濯カゴに放り投げ、電気を消して布団に入った。

( ^ω^)「おやすみだお、カーチャン、トーチャン」


185 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:59:13.41 ID:hAOav85y0
( ^ω^)「おっおっ、就業時間が終わったおっ」
('A`)「おうブーン、今日は早く帰ることは許されねーぞ」

ブーンがドクオに怪訝そうな顔を向ける。

('A`)「お前な、今日はしぃちゃんの送別会だろうが」
( ^ω^)「おほっ、しぃちゃん会社を辞めちゃうのかお?」

ブーンが大口を開いた。
それを見て、しぃが笑顔で頷く。

( ^ω^)「なんだお、しぃちゃん狙ってたのにお」
('A`)「馬鹿ヤロウ、俺なんて、入社からずっとアタックかけてたんだぞ?
それなのに別の男になびきやがって……」

(*゚ー゚)「えっ? ドクオさんてブーンさんと付き合ってるんじゃないんですか?」
('A`)「うほっ」
( ^ω^)「やらないか?」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい、早く仕事を片付けて出ましょう」


186 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:59:48.01 ID:252ZDUG90
あ、あれ?
作者変わった?
スカトロマダー?(AAry wwwwwwwwww


187 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 22:04:21.25 ID:hAOav85y0
そのツンの一言がブーンの逆鱗に触れた。

( ^ω^)「ツン、前から思ってたけどお、お前ちょっと生意気だお?」
ξ゚⊿゚)ξ「は?」

馬鹿にしたような顔を向けるツンの鼻っ面に、ボールペンを突き刺す。
鼻の穴に刺さったボールペンを伝って、鼻血が垂れた。

ξ゚⊿゚)ξ「いたっ」
( ^ω^)「生意気だお? 生意気だお? 生意気だお?」

同じ言葉を繰り返しながら、ボールペンの出し入れを繰り返す。
そのたびにツンは顔を歪めて、両手をあげる。

('A`)「おいおいブーン、そのくらいで勘弁してやれよ」
( ^ω^)「簡便? うんこかおwwwwwwwwうはwwwwwwwwツンwwwww尻出せwwwwwwwww」


>>186
こうですか? 僕にはわかりません


189 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 22:10:08.58 ID:hAOav85y0
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、なにぼうっとしてんのよ」

ブーンは妄想から引き戻され、きょろきょろと辺りを見回す。

('A`)「あはは、仕事終わったんだろ? ちょっと座って待っとけ」

ドクオがブーンの行動に笑いながらいった。
ブーンは頭を掻きながら、席に戻った。

('A`)「しぃは引継ぎ大丈夫か?」
(*゚ー゚)「ええ、一週間前から研修を受けているクーさんが私の次に入りますから」
('A`)「ああ、あの寡黙な人な」

クーは研修の傍ら、何度かこの部屋にも顔を出している。
当然、第三資料室の面々とは顔見知りだった。

( ^ω^)「あの人も全然笑わないお。しぃちゃんがいなくなったら益々」
ξ゚⊿゚)ξ「益々なんなの?」
( ^ω^)「……益々美人が増えて困っちゃうお」
ξ゚⊿゚)ξ「よろしい」


191 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 22:15:02.94 ID:hAOav85y0
社屋は繁華街に隣接している金融街にある。
その金融街の中でもさらに繁華街よりだから、社から五分も歩けば、すぐに居酒屋に着く。

( ^ω^)「おいすー」
(´・ω・`)「やあブーン、最近顔を出さないじゃないか」
( ^ω^)「ツンがうるさいからお」
ξ゚⊿゚)ξ「私がなんですって?」

カウンターに座った途端、場が冷え切る。
二人は互いに睨み合いながら、肩を小突きあっている。

('A`)「まったく、お前ら二人も寿退社しちゃえよ。うぜーから」
ξ゚⊿゚)ξ「なな、なによ。私とブーンはそんなんじゃないんだからね!」
( ^ω^)「まったくだお。こんな嫁をもらったら、死ぬまで会話がなくなっちゃうお」

('A`)「はいはい、今日もお熱いこって」
(´・ω・`)「ドクオには僕がいるじゃないの」
('A`)「うほっ」
(´・ω・`)「やらないか?」

ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと、今日の主役はしぃちゃんなんだから、二人だけで盛り上がってないでよ」


192 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 22:21:14.38 ID:hAOav85y0
(´・ω・`)「あれ、しぃちゃんなんかあったのかい」
ξ゚⊿゚)ξ「今日で退社なのよ」
(´・ω・`)「ほほう。それにしては、他の部の人間がいないね」
('A`)「そりゃあ問題児を抱える第三資料室だからな。
そんな部の人間とは誰もお付き合いしたくないんだろ」

ドクオがつまらなそうにビールを流し込む。

ブーンの勤めている第三資料室は、管財部の下にあたる部だ。
第一資料室が総務部の下にあたり、第二は経理部の管轄下にある。

第一と第二はエリート軍団で、第三が落ちぶれ集団といわれるのには所以があったが、
そんなことどうでもいいので、次にいこう。


194 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 22:25:17.92 ID:hAOav85y0
( ^ω^)「俺とお前と、だいごろうー」
('A`)「いよっ、ブーンサイコー」
(´・ω・`)「サイコー」

店にはブーンたち以外は誰もいない。
だから、店内は貸しきり状態に近い。

いつの間にか店長も一緒になって、カラオケで盛り上がっている。

その後ろで、ツンが焼酎片手に愚痴を吐いていた。

ξ゚⊿゚)ξ「なんなのよ、今日の第一の連中。自分たちが総務部に属してるからって、調子乗ってんじゃないわよ」
(*゚ー゚)「ツンさん、飲みすぎですよ」
ξ゚⊿゚)ξ「はあん? お前素面じゃねえか。おら、飲めよ」

(*゚ー゚)「もう、やめてくださいよ。私のお腹には赤ちゃんがいるんですよ」
ξ゚⊿゚)ξ「お前あれか、俺の酒が飲めねえってのか。上司の酒が飲めませんーってか? おい」


197 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 22:30:05.34 ID:hAOav85y0
('A`)「おいおいツン、酔っ払いすぎじゃないのか?」

この店にはいると、上下関係は解消され、無礼講となる。

ξ゚⊿゚)ξ「へへっ、飲まなきゃやってらんないのよ。あんたたちの世話なんてね」
( ^ω^)「ふひひ、僕の下の世話もお願いしますお」

ツンの放ったビンが孤を書いて飛び、ブーンの額で大きな音を立てて割れた。

('A`)「あーあー」
ξ゚⊿゚)ξ「え、やっちゃった」
(´・ω・`)「これはひどい」
(*゚ー゚)「ツンさん、だから飲みすぎはあれほど駄目だと……」

ドクオが恐る恐るブーンに近づき、胸に耳を当てる。

('A`)「生きてるみたいだぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「そう、ところで焼酎まだ?」
(´・ω・`)「いま君が投げたじゃないか」
(*゚ー゚)「ツンさん……」


198 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 22:35:25.85 ID:hAOav85y0
ξ゚⊿゚)ξ「それで、なんでこうなるわけ?」

店長が首をかしげた。
いつの間にか店内は静まり返り、店長とツン、ブーンしかいない。

ξ゚⊿゚)ξ「あいつらいつ帰ったの?」
(´・ω・`)「えっと、三時間くらい前かな?」

時計はすでに零時を回っている。
かれこれ六時間近くも飲んでいたことになる。

ξ゚⊿゚)ξ「それで、ブーンどうしようか」
(´・ω・`)「置いてくのは禁止ね。うちは旅館じゃないんだから」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、どうしろっていうのよ」

店長は口角を吊り上げ、にやりと笑う。

(´・ω・`)「君が送っていくのさ。ふふっ」
ξ゚⊿゚)ξ「さあってと、明日も仕事だわ」

立ち上がったツンの襟を店長がそっと掴む。

(´・ω・`)「ふふふ、逃がさないよ」


228 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 11:25:52.90 ID:Jzk8WiiL0
ξ゚⊿゚)ξ「それで、なんでっ、こうなるのよ」
( -ω-)「すこんぶー」
ξ*゚д゚*)ξ「うっせーなこの包茎が。黙って寝てろってんだ」

夜道に二人の漫才のようなやりとりが続く。

ξ゚⊿゚)ξ「まったく、なんで私が」

「タクシーでも呼ぼうか?」といわれたが、二人とも歩いて十分程度のアパートに住んでいたので、もったいないから歩くことに決めた。
それはいいのだが、どうして私がおぶってるのか。

( -ω-)「やだおやだお! すこんぶじゃないと僕は寝ないお」
ξ゚⊿゚)ξ「……なんの夢みてんのよ」

背中で気持ちよさそうに眠っているブーンは、なんども「すこんぶだお」を繰り返している。
こいつは本当に寝ているのか。

ξ゚⊿゚)ξ「だりー」


229 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 11:26:08.82 ID:Jzk8WiiL0
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、腰痛い。今度は奢ってもらわないと割に合わないわ」

「内藤」とへたくそな字で書かれた表札の下にブーンを寝かせ、ポケットを探る。

( -ω-)「そんなとこらめぇ。いやあんだおぉ」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと、あんたホントに寝てるんでしょうね?」

ようやく鍵を探し当ててドアを開く。
しかし、どうして寝ている人間というのはこうも無駄に重いのか。

引きずるようにして、ツンはブーンをベッドに運んでいった。

( -ω-)「らめぇぇ妊娠しちゃうおぉ、そこはあふっ」

ベッドに寝かせた途端、急に起き上がったブーンがツンに抱きついた。

ξ゚⊿゚)ξ「ちょっ、ブーン、駄目だって」
( -ω-)「ぐーぐー」


230 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 11:26:21.12 ID:Jzk8WiiL0
ブーンをベッドに戻し、ため息をつく。

ξ゚⊿゚)ξ「もう、馬鹿」

普段は不細工なのに、どうして寝顔は可愛らしいのだろう。
そんなことを考えながら、火照った顔で室内を見回す。

ξ゚⊿゚)ξ「意外に……」

整頓された部屋だ。床に無駄なものは置かれていないし、テーブルやテレビの上にも埃がたまっていない。
カーペットにも染みひとつ見つからないようだ。

ξ゚⊿゚)ξ「絶対、足の踏み場もないと思ってたけど」

仕事は雑で、万事大雑把なブーンからは想像もできないほど片付けられている部屋。
潔癖症の類を思わせるほど、家具の設置位置まで直線に揃えられている。

ξ゚⊿゚)ξ「こういうギャップに、ってなに考えてるんだろう私」

再び火照りはじめる顔を手うちわで扇ぐ。

ブーンは「すこんぶ」と「らめぇ」を繰り返しながら寝返りをうっている。

ツンはしばらくブーンの寝顔を見つめ、知らないうちに眠りに落ちていった。


231 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 11:26:37.50 ID:Jzk8WiiL0
ξ゚⊿゚)ξ「遅刻遅刻遅刻遅刻遅刻遅刻遅刻」

目が覚めたら、誰もいなかった。
それどころか、時計の針はすでに出勤時間五分前を指している。
ツンは時計を見た瞬間に目を見開き、襖を蹴りつけた。

襖の中からなにかの鳴き声が聞こえてきたが、気にしている場合じゃない。

ξ゚⊿゚)ξ「あいつ、なんで自分だけ部屋出てんのよっ」

荒々しく「第三資料室」と書かれたドアを開く。

('A`)「おっ、課長のお出ましですね」
川 ゚ -゚)「おはようございます」
( ^ω^)「おいすー。ツンさんおはよーだお」

いつもの笑顔を浮かべながら挨拶するブーンに顔を向ける。


232 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 11:26:51.34 ID:Jzk8WiiL0
ξ゚⊿゚)ξ「なんであんただけ先に出社してんのよ。起こしてくれたっていいじゃない」

ツンの言葉を聞き、ドクオがいやらしい笑みを浮かべる。
ツンが怪訝そうな顔を返すと、ドクオはその顔にまま「本当なんですね」といった。

ξ゚⊿゚)ξ「うん?」
('A`)「本当に、ブーンの家にお泊りですかっ。うへ」
ξ゚⊿゚)ξ「なっ」

ドクオとブーンが顔を見合わせ、可笑しそうに笑いあう。なにがいいたいのかツンにはわかりかねた。

( ^ω^)「だからいったお。僕とツンさんはもう恋人同士なんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「はあ?」
('A`)「まったく、ブーンに先に彼女ができるとは……賭けは俺の負けらしいな」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと、なんのはな――」

ブーンが唐突に引き締めた顔でツンを見つめた。
  _ _
( ^ω^)「細かいことはいいじゃないか。僕たちはもうそういう関係なんだし、周りに隠すことはないだろう?」

お前は誰だ。

('A`)「あーあ、しぃちゃんの次はツンさんが寿退社っすか。いいですねえ、女性は」


233 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 11:32:33.51 ID:Jzk8WiiL0
ξ゚⊿゚)ξ(本気でよくわからないが、なぜか私とブーンが付き合っていることになってるの?)
ξ///)ξ(そんなわけないじゃない。馬鹿じゃないの)

('A`)「おおっと、普段は人造人間のように無表情なツンさんの頬が染まっておりますぞ、ブーン氏」
( ^ω^)「ほほう。それは不思議だお、ドクオ氏」
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい、人をからかうのはそこまで」

面倒そうに顔の前で手を振りながら、ツンが冷静な表情に戻る。

ξ゚⊿゚)ξ「それじゃ、昨日付けで第三資料室に勤務が決まったクーさんを紹介しましょう」
('A`)「なあブーン、もしかしてお前、もうやったのか?」
( ^ω^)「ふひひ、ツンは実は着痩せする」
ξ゚⊿゚)ξ「いい加減にしなさいよ」

ブーンの頭を小突き、クーに顔を向ける。

川 ゚ -゚)「クーです。よろしくお願いします」
('A`)「いよっ、第三資料室へようこそ」


234 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 11:36:41.93 ID:Jzk8WiiL0
ξ゚⊿゚)ξ「仕事といえば、送られてくる書類の整理やパソコンに入力することくらいかしら」

ツンとクーが額を寄せ合って、今度の仕事について話している。
その反対側では、ブーンが2ちゃんねるを閲覧していた。


万年道程の俺に彼女ができた件について

1 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/02(金) 11:32:33.51 ID:Jzk8WiiL0
フヒヒwwwwwwお前らともお別れだおwwwwwwwww


ξ゚⊿゚)ξ「ブーン君?」
( ^ω^)「なんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「なにをしてるのかな?」
( ^ω^)「今日は早食いはしておりませんお」
ξ゚⊿゚)ξ「そう」

ブーンの端末は、その日に撤去された。


235 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 11:41:09.28 ID:Jzk8WiiL0
それから三ヶ月後のとある部屋。

「いやだ、もう食えない」
「そんなこといっても許さないお。まだまだあるんだからお」

いまにも息絶えそうな女性の声に被さるように、男が笑い声を上げ、襖を開く。
襖が壁にぶつかり、その衝撃で虫が降ってきた。

「やだやだ、もう、無理」
「こんなに美味しそうなものが食べれないのかお! ほら、ほらっ」

男がそれを拾い、自分の口に入れて咀嚼する。
三十回ほど噛むと、女の口を広げさせた。

「絶対おいしいからお」

口から垂れた虫の屍骸と緑色の液体が、開かれた女性の口に入っていく。
女性は嗚咽とともに、それを飲み込んだ。




236 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 11:47:53.42 ID:Jzk8WiiL0
( ^ω^)「おはようだお」

いつも通りの社内。いつも通りの人間たち。
第三資料室は相変わらず社内から疎外されていたが、それはいいかえれば、あまり干渉されないということになる。
日本語というものは面白い。

太った人は自分のことを「ぽっちゃり系」といい、
不細工には、「特徴のある顔ですね」という。

言葉を少し変えるだけで、相手に与える感じが変わるのだ。どうでもいい。

('A`)「おはようさん。今日の帰りに飲みにいこうぜ」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね、たまにはブーンも」
( ^ω^)「ごめんお。今日も見たいテレビがあるんだお」

本当に申し訳なさそうな顔で頭を下げるブーンを見て、ドクオとツンは顔を見合わせた。


237 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 11:51:58.11 ID:Jzk8WiiL0
('A`)「お二人は付き合ってるんですよね?」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、そういうことになってますことよ」
('A`)「で、最近デートはなされてるので?」
ξ゚⊿゚)ξ「ううん。週末に食事をするくらいかな」

ドクオが首を傾げる。

('A`)「それは、自然消滅への流れかね」
ξ゚⊿゚)ξ「かなあ。部屋にも入れてくれないんだよ」
('A`)「それはやばいって。ツンさんだってブーンのこと好きなんだろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「そりゃあ、そうだけど」

( ^ω^)「書類整理終わったお。ちょっとご飯食べてくるお」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、私も……」
( ^ω^)「僕は一回家に帰るお。いま散らかってるから、恥ずかしいんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「そう」


238 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 12:02:48.26 ID:Jzk8WiiL0
ツンがはじめて見たブーンの部屋は、入居したばかりだと思わんばかりに片付いていた。
掃除も行き届いていたし、床に脱ぎ散らかされた衣服もなかった。
ツンが最後に入ったときも、その様子に変化はなかったのだ。

ξ゚⊿゚)ξ(たかが二ヶ月で、そんなに変わるものなのかな)

ブーンの様子にも変化は見られない。
不細工なくせに、その笑顔を見ると落ち着くし、心地よい。
突然おかしなことを話すこともないし、仕事が雑なこともなにも変わらない。

('A`)「まあ二人のことだから、俺には関係ないけど」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。今日、ブーンの部屋にいってみるわ」
('A`)「不倫の現場でもおさえようってか?」

「そうね」と呟くツンの声が、ドクオには儚げに聞こえた。


239 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 12:07:18.83 ID:Jzk8WiiL0
突然の訪問に、ブーンは驚いていたようだった。
ドアを薄く開き、顔を歪めるブーン。

ξ゚⊿゚)ξ「入れてくれる?」
( ^ω^)「……ちょっと待ってくれお」

一度ドアが閉められ、五分後、再び顔を出したブーンの顔には微笑があった。

( ^ω^)「いいお」

ドアを開け放ち、ブーンに続いて部屋に上がる。
洗面所とトイレにつながるドアが左右にあり、一直線に伸びた床はリビングのドアに繋がっている。
玄関の靴はきちんと揃えられており、フローリングも磨きたてのように綺麗に光っている。

ξ゚⊿゚)ξ「汚れてないわね」

ブーンは言葉を返さず、リビングのドアを開いた。


240 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 12:11:03.38 ID:Jzk8WiiL0
ツンは既視感に襲われた。
テーブルの上に煮物の小皿とビール缶がある以外に、部屋はあのときのままだった。
定規で測ったように直線を描く家具、しわひとつないシーツ、染みひとつないカーペット。

ξ゚⊿゚)ξ「汚れてないじゃない」

ツンはもう一度同じことを繰り返した。

( ^ω^)「そろそろ来るかと思って、掃除しておいたんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「そう」

素っ気無い返事をして襖に近づく。

( ^ω^)「なにするんだお!」

ブーンの怒鳴り声に、ツンは肩を震わせた。


241 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 12:15:39.78 ID:Jzk8WiiL0
ツンが不思議そうな顔をして振り向く。
ブーンは顔を顰め、荒い息を吐いている。

( ^ω^)「そこは汚いからお。座布団に座っててお。ビール持ってくるお」

頷き、座布団に座る。異臭を感じ、小皿に顔を近づけた。

ξ゚⊿゚)ξ「なんの煮物だろ。手作りみたいだけど」

イナゴだろうか。細い足がはみ出ている。

( ^ω^)「はいお、ビール」
ξ゚⊿゚)ξ「ありがとう」

ツンが顔を上げると、ブーンの顔が見えた。
そこにいつもの笑顔はない。
無表情でテーブルの上の小皿を見下ろしている。

ξ゚⊿゚)ξ「これ、なんの煮物?」


243 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 12:21:37.99 ID:Jzk8WiiL0
( ^ω^)「イナゴだお」
ξ゚⊿゚)ξ「そう」
( ^ω^)「食べてみるといいお。手作りだお」
ξ゚⊿゚)ξ「いらない。ねえ、相変わらずものが少ない部屋ね」

所々についた傷のある箪笥と文庫の並んだ棚以外に、生活の様子が伺えない。

ξ゚⊿゚)ξ「いつもこの部屋でなにしてるの?」
( ^ω^)「テレビを見てるか、小説を読んでるお?」
ξ゚⊿゚)ξ「自炊もしてるんだね」

小皿に視線を投げ、ブーンの顔を見上げる。
ブーンはまだ小皿を見つめていた。

ξ゚⊿゚)ξ「どんな料理が得意なの?」

ひと呼吸おいたあと、ブーンが口を開いた。

( ^ω^)「なんか今日のツンは変だお」
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
( ^ω^)「質問責めだけど、なんか気になることでもあるのかお?」


244 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 12:25:37.95 ID:Jzk8WiiL0
ξ゚⊿゚)ξ「別に……ないけど」
( ^ω^)「缶が傾いてるお?」

ツンが振り向く。ブーンの視線が小皿から、ツンの下半身にうつっていた。

( ^ω^)「ビール。スカートが染みになってるお」
ξ゚⊿゚)ξ「あっ」
( ^ω^)「拭くものもってくるお」

慌ててハンカチを取り出したツンを制して、ブーンがリビングを出ていく。
ツンはスカートを持ち上げ、ハンカチを押し付けた。

あまり垂れていなかったようだ。下着まで少し染みたくらいらしい。
冷たさも感じないので、ツンはハンカチを戻した。

ξ゚⊿゚)ξ「イナゴは食べたことないな」

煮物をつまんだ指を口に入れ、ツンはすぐに吐き出した。


245 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 12:30:13.52 ID:Jzk8WiiL0
先ほどのハンカチを口に入れ、舌を何度も拭く。
苦い。イナゴを口に入れた瞬間、口内に苦味が広がった。
噛むと羽が乾いた音を立て、イナゴから液体が漏れ出す。

( ^ω^)「食べたのかお」

口を押さえているツンの近くにひざ立ちになったブーンが、タオルをスカートに押し付けた。

( ^ω^)「イナゴははじめてかお?」

ツンが頷く。ブーンの手がゆっくりと上下する。

ξ゚⊿゚)ξ「煮物って、もっと甘いものかと思って」

タオルとスカートの生地越しに、ブーンの手が太ももを撫でている。
卑猥な妄想を振り払い、ツンがブーンの手首を掴んだ。

ξ゚⊿゚)ξ「もう濡れてないよ」
( ^ω^)「はじめてじゃ、しょうがいないけどお……」


246 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 12:35:22.83 ID:Jzk8WiiL0
ブーンの手が離れ、吐き出されたイナゴをつまむ。

( ^ω^)「食べ物は粗末にしちゃだめだお」

口に放り込み、咀嚼する。大きな音を立ててそれを飲み込み、唇を舐める。
ブーンは、子供を優しく諭している先生のような目をツンに向けた。

ξ゚⊿゚)ξ「うん、ごめん」

ブーンは視線をツンの顔に固定したまま、小皿から煮物を取って再び口に入れる。
その動作に、君の悪いものを感じた。

( ^ω^)「くちゃくちゃくちゃくちゃ」

ツンはブーンの口から視線を逸らすことができなかった。
ブーンの咀嚼する音だけが、部屋を支配していた。


 



 後編へ

 
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://owatalife.blog122.fc2.com/tb.php/91-48f8c94a

0件のトラックバック

0件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

- Info -

2ch・ニュー速VIP板に投下される
「ブーン系小説」スレッド群に関しての
感想・紹介・まとめ他を行うBlogです。
他、個人的な雑記なども。

メインコンテンツである
 感想文、短編作品まとめは
 こちらのページからどうぞ。
 一部自作品のまとめはこちら

※コメント欄にURLを書き込む際は、
  ”http://~” の
  頭の ”h”を抜いて下さい。

ブログ内検索

リンクその2

■ 更新停止ぽいまとめ

■ ブーン系含むVIPスレまとめ

■ レビュー及び作者・絵師サイト

■ 個人的ブックマーク・他ブーン系関連
※ 問題がある場合はお知らせください。
※ 当Blogはリンクフリーです。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。